四万十川に転落し、一命をとりとめた話
- 2019GW企画「四国一周サイクリングリベンジ」
こんにちはギルスパです。
伊吹山ヒルクライムが終わり、シーズンINしたところで、ゴールデンウィークが始まります。
今年は平成が終わり令和が始まるためかなーり長い連休になるので四国一周のリベンジをしようと思いました。
しかしこのツアーはとんでもないトラブルに見舞われて終了することになるのです。
- 0日目
仕事は4月最後までありました。GW前半は雨だったのでゆっくりして、5/1の夜に弟も車で香川県丸亀市に行くというので、一緒に連れて行ってもらいました。
装備は軽量で。
フロントバックにはモンベルのマット、輪行バッグ一式、財布と携帯電話
フレームバックはガストーチとガスボンベ日焼け止めなど
サドルバックはテントと着替え
自転車は13kgとカバンは3キロに収まりました
クルマは16:00出発、弟の運転はほとんどした道なので22:00に到着。
この日は一泊できるタイプのスーパー銭湯で泊まりました。
AM6:30
起床し、出発
超ロングなのでなるだけ回復走のようなパワーに制限して淡々と朝の高松市を走ります。
ほぼ3年前と同じ道順です。
お昼には鳴門につきまして、1stうどん。上手い!
その後はひたすら室戸岬を目指します。
AM15:00
細かいアップダウンが続くみちにはお遍路ローディーや同業者がたくさんいました。
が、さすがに丸亀市スタートなので、室戸岬まで行くとなるとざっと230キロなので日没までの時間が厳しく道の駅の近くの温泉に着いた時にはすでに19:00でした。
キャンプ場のような道の駅に着いたときは真っ暗でした。
20:00
「となりに設営していいですか?」
同じように自転車で旅してキャンプしている人が2人ほどおられました。
なんでこんなことしているのか?何が楽しいのか?旅って何だろう?
それぞれの考えを共有できるけっこう有意義な一晩を過ごせました。
それにしても微妙に頭が低くて寝れない…
夜中までごそごそ試行錯誤してようやく寝れました。
この日は246km走りました
AM6:00
それではお気をつけて
AM11:00
コインランドリーで洗濯しつつ昼前には高知市に突入。
2ndうどんは本州にもあるチェーン店
ところで脚を使いすぎたかもしれない。前半ほどオーバーペースよりは、前半ほどさぼったほうがいいかもしれない。
ということで山岳地帯の七戸峠をパスするために須崎市まで走って後は四万十市の中村まで輪行
前回の四国一周で走れなかった道を確実に走るため、完全な形ではないですが、輪行することにしました。
PM16:00
四万十市に到着。
「これが四万十川か…」
前回は真っ暗なうちにキャンプして、そのまま真っ暗なうちに出発したのでまともに四万十川を見れてない。これはこれで良い。
街にはお風呂と無料のキャンプ場があり、前回の時より明らかに立地条件の良いところを室戸岬で出会った方に教えてもらった。
以下がその様子。キャンプってイイ。非常にアウトドアを満喫できました。
- 3日目「四万十川転落事故発生」
前日の反省を生かしつつ、6:00までそれなりに寝れました。
この日も朝ごはんはカップラーメン
「沈下橋ってのが有名なんだっけ?」
そういって橋を渡ってみようとしたが、強風にあおられ案の定自転車ごと四万十川に転落しました。
「ヤバイ!」
それしか頭になかったのは確か。
橋の柱にしがみつつも、沈んでゆく自転車の回収を試みるが、水の流れは上から見た時とはまるで違う。当然裸眼では水中の視界はほぼゼロ。
「自転車の心配してる場合じゃない!俺が死ぬ!」
柱には漂流物の尖った木がたくさんあり、足場にはなるが、確実にケガをする。
「陸に戻らないと!」
必死で泳いだ。もう死んでもおかしくないけど何も考えずに泳いだ。
そこそこ水も飲んでしまった。
気が付くと足がついて一命をとりとめた。
「え?何が起こったん?マジなん?」
一瞬で自転車が消えて、手元にあるのはカバンのみ。奇跡的に携帯電話があったものの、財布は自転車とともに流された。
この時バックパックがなければ確実に死んでいた。というのも浮きの代わりになったから。
「生きてるだけでも良かった…のか?」
心の底から思いました。こんな漫画や映画でありそうな感想を
現場では早朝ということもあり、目撃者はゼロ。
全身濡れてて寒かったですが、日は出てて、風よけになるとこがあったので安全を確保しました。
「誰にどう助けを求めたらいいんだ?」
ここで、勉強になったのが110や119に電話をかけてもケガ人、事件性の緊急ではないので全く動いてくれないこと。
その後、家のものと連絡できたが、当然京都から車で回収なんてことは不可能。
最終的には地元の警察にお世話になった。
事故検証をして、例外的に帰りに必要な電車賃を警察に借りることができた。
※普通は身分を証明するものが必要。
「災難でしたね。毎年夏になると他府県から来た人が流されて水難事故とかあるんですよ。」
正直「心にポッカリと穴が開く」という状態だった。
劇場版蒼き鋼のアルペジオCadenzaで買ったお気に入りのイオナラバーストラップも財布と一緒に流されてしまった。
アニメ版みたく、愛は沈まないって浮上してくれよ…と嘆くことしかできなかった
特急で岡山まで、スマートイコカも手元にあったので、新幹線は乗れないけど在来線で京都まで帰った。
- 後日「ゼリウス発見」
寝ていた。何も考えたくなかった。すると電話が鳴りだした。
「もしもし、ギルスパですが(本名伏せ)」
「あ、ギルスパさんですか?地元の方がそれらしい自転車を引き上げたということで連絡しました。どうされます?」
「行きます!!」
昼前に京都から新幹線を使って四万十市まで。ついたのは18:00だった。
警察署で自転車を確認。正直泣きそうだった。
「ごめんなさい」
いくつかの持ち物は流されてしまった。でもフレームは無事だった。
貴重品も免許証や保険証、クレジットカードもあった。
ここでトラブル発生。スマホ動作しなくなる
何もしてないのに充電完了の緑ランプがついたまま。おそらく充電回路がやられている。
四国は俺をここまでタダじゃ返してくれないのな。
正直呆れました。
結局19:30の特急高知行きに乗りました。
で高知市の町に着いたのが21:30でこの日のうちに京都まで帰る電車はないのでビジネスホテルで泊まることにした。
キャンプや野宿以外の宿泊はかなり久しぶりだなw
正直快適過ぎました。
スマホはバッテリーを外したいが、外せないので冷蔵庫へ。
帰りの新幹線も予約はスマホが使えないので、ホテルのパソコンで何とかなりました
あと家のほうに連絡を。公衆電話をたぶん10年ぶりくらいに使って、駅にいてる人にジロジロ見られた。
「こっちには事情があるんだよ」
高知の街並みを散歩しつつラーメンを食べて歯を磨いて寝ました。
- GW最終日
5:00に起きて岡山行きの電車に乗った。
ツイッターには心配してくれる人、励ましてくれる人、自転車の復帰を共に喜んでくれる人、たくさんいました。気づけば3000リツイートされてました。
「もう四国には行かないほうが良いかもね」
岡山に着いた。ここから京都まで新幹線。「EX-IC」かっこいいぜ。
GW最後なんだから駅弁を買ってみた。
新幹線の車窓からは地元京都の練習コースである西山が見えた。
沈んだと思われたゼリウスでまた、あの山を登れる。うれしい限りでした。
京都に帰ってきて自転車を組む。「こっちも生きてるよ」と言わんばかりに進んでくれる。そのまま家まで走って帰った。
※最後に、命の危険も伴う事故だっただけにツイッターなど多くの方に心配やごめいわくをお掛けしました。
この場を借りてお詫びと感謝を申し上げます。
おかえり