種子島一周サイクリング

  • キッカケ

夏以来のブログ更新です。
コロナ禍であろうと夏休み(お盆休み)どころかその前後9月まで仕事が忙しすぎてまともに自転車に乗れていない日々が続いておりました。
9月末になり、ようやく落ち着いたところで2019年末に本当は行きたかった種子島、ダメなら2020夏に行きたかった種子島を走ろうと考えました。
しまなみ海道も走りたかったのですがあえて遠い離島のほうが冒険している感じができるのでは?
と考えて出発3日前ぐらいから天気予報と睨め合い9月26日~9月28日に絞りました。

  • 1日目

5:30に起床。忘れ物がないかチェックして最寄り駅で輪行
新大阪駅から6:50発のさくら543に乗り込みます。
鹿児島中央駅まで直通列車で、11:00に鹿児島中央駅着です。
4時間で大阪から鹿児島へ行けるのはかなり近く感じますし、快適な車内でした。
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「自転車と共にこんなとこまで来てしまった」
11:00鹿児島中央駅に到着。日本の端から端まで走っている新幹線の路線もここで終点。
この鹿児島中央駅の車両止めも一度見てみたかったトコです。
フェリーの出港は13:00という事で時間があるのでビックカメラ輪行状態の自転車を持ったままPLフィルターを買いにいきました。

「旅行者向きの戦法として主要駅にカメラ屋さん構えたら自分みたいに現地調達する人たくさんいるんだろうなぁ…」と思います。
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鹿児島中央駅からフェリー乗り場まで1.5kmほど。
港からはテレビでしか見たことない桜島が見えます

乗船手続きでは屋久島行きの観光者もおりそれなりの賑わいです。

種子島までの高速船、往復券プラス自転車持ち込みは¥16100でした。
フェリーにしては高めですが、実はこの高速船、時速80km/hで航行して鹿児島から種子島まで約1時間半で行くスゴイ船でした。

史実がホントなら駆逐艦島風と同じようなスピードです。ジェットエンジンを積んでおり出港前は航空機のような起動音です。

出港し1時間でようやく鹿児島の佐多岬、日本の本土最南端を通過。
鹿児島は本当に広くて山も高い土地であり、いつかサイクリングを挑んでみたいと思いました。
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そしていよいよ目的地の種子島西之表に到着。
自転車の輪行を解除して予約した民宿へ向かいます。

走り始めてまず気がついたことは圧倒的にクルマが少ないことでした。
しかも走ってる車種は軽トラか軽四ばかりでミニバンやセダン、エコカーなどの普通車はほぼ見かけませんでした。

さらに関西圏なら間違いなく突っ込んで来るような信号右折やT字交差点では丁寧に一時停止をするクルマや多く自転車の身としては非常に走りやすいと感じました。
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海沿いの道は夕方とはいえ南国風の素晴らしい風景を楽しむことができました。
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しかし南に伸びる国道58は海を離れるとアップダウンのある半島らしいレイアウトであり、
荷物が多いのと写真を撮ってしまう事もありかなりゆっくりのペースで民宿を目指しました。
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民宿は種子島最南端の門倉岬の近くなので道中近くで写真を撮ったりもしました。
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時刻は18:00となり民宿へチェックイン。
オープンな感じで自転車を庭におくことができました。
夕方はとっても豪華。
地元の食材てんこ盛りの創作料理。
地元ならではのご飯をたくさん食べれるほうが好きなので民宿が好きです。

この日の宿泊客はどうやら自分だけだったようです。次の日に備えて22:00に就寝。

  • 2日目

しっかり寝たとは言えない微妙な感じでしたが体調は悪くなく、朝御飯を7:00から頂きます。
朝にしては結構ボリュームがありますが食べないと走れないのでペロリと完食。相変わらずおいしいご飯でした。
昨夜は宿泊客が自分だけだと思ってましたが、なぜかもう1人朝になると居てました…
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ダメもとで聞いてみるとマシン油を借りることができた。正直チェーンオイルなんてコレで十分です。
これは感謝。

7:45出発。
種子島一周サイクリングスタートです。

島一周なので、やはり時計回りではしります。
走り出すなりいきなり朝焼けと共にキレイな青い海が広がっています。
あちこち写真を撮りたくてなかなか進まない感じです。風は北東なので向かい風ですがそこそこのペースで走れました。
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「スゲェ」こればっか呟いてました。
先日の天気は曇りで雨も降ってたので、その反動もあり見慣れない南国の植物やエメラルドグリーンの海を見て感動的でした。
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「晴れ男の効果発動してるやん」とか言ってたら先日の移動日で走っていた国道58号線に合流です。
ちょうどこのあたりで種子島の中央部、中種子町に突入。
時間は昼前になり西之表へ繋がる海沿いの道はとてもキレイでした。
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俺はかつてこんなにキレイな海を見たことがない。
海の色はエメラルドグリーンとブルーがグラデーションがかかっています。
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昨日フェリーでやって来た西之表港に到着。
お土産屋さんがあり、買いたいけど荷物になるので買わないでおこうと考えました。

お土産屋を買うなら明日月曜日ですが、営業してるか不安だったので確認した。
「明日、また来ます」
そういって種子島最北端を目指しました。

西之表より北はそこそこの登りです。
最北端へ続く道はカメラでは絶対伝えきれない絶景です。
アップダウンの下りでは強烈な風と共に視界180度ぐらい海の水平線が広がっています。
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「キレイだ」
その一言につきる。
喜志鹿崎灯台
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出発し南の向かいます。
少しガスってるものの独特な風景でした。
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しかしここで通行止め。
残念ながら一周は迂回することに。
しかし迂回路はなかなかの峠。
さらに力んでアキレス腱にまたもや違和感が。
種子島空港付近で一周するための海沿いルートへ戻らずに真っ直ぐ民宿へ戻ることにしました。

帰りに中種子の町まで戻ってきたらドラッグストア
で湿布を購入。

いつもなら多少違和感があっても輪行袋さえあればリタイアという事で帰れますが、ここは家から1200km離れた種子島
明日もフェリー乗り場まで走らないといけない。
しかも制限時間がある。

それが不安で仕方ないのと一周できなかったこと。
あとは行きたかったJAXAなど見れなかったこと。

「それでも本土で見れないような景色をたくさん見れた。」
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色々考えて16:00ごろ民宿についた。
「結構早かったですね」
「メチャクチャキツかったです。」

とりあえずシャワーを浴びて、洗濯したりした。
湿布を貼って次の日の備えた。
自転車も変速機の調子が悪く、ワイヤーを閉め直した。

その日は自分のほかに1人宿泊客が泊まっていた。
晩御飯の前にたくさん喋った。
埼玉県から飛行機で来たらしい。
もともと旅行が好きで定年退職し、今回は14泊して南西諸島転々とするらしい。

「おやすみなさい」
夕食を食べ終わり、一度は部屋に戻ったが空を見上げると物凄くキレイな夜空が広がっていることに気がついた。
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「…これはッ!!」
すぐにデジカメのレンズを明るい単勝点に換装して撮影しようと1人ではしゃいでしまいました。
いろいろ試してとった一枚。
昼も夜も見たことのない光景を見て感じる事ができました。
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屋久島が意外と明るくかったり、サツマゴキブリに遭遇したり。
ある程度楽しんだら流石に寝ようと思いました。

ですが、その日はすぐに寝ようと思いましたが全く寝れなかった。

原因の1つは自然の音がうるさく感じること。
自分はやっぱり都会の人間なんだなぁと感じました。
もう1つの原因は次の日、フェリー乗り場までたどり着けるか不安だった事。
パンクなどメカトラブルがないか?
アキレス腱が痛くならないか?

結局一睡もできなく時間が過ぎていった。
「大丈夫だ」
「大丈夫だ」
自己暗示して自分が安心して寝れるようにしたけど結局一睡もできなかった。


  • 3日目

結局ほとんど一度も寝れないまま3日目を迎えた。
先日のライド中に違和感を感じてたアキレス腱は回復してそうだ。
朝食はいつも通り7:00から。
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民宿の方には申し訳ないがダッシュで食べ完食しました。

「ごちそうさまでしたー」
そう言ったらすぐ歯を磨いたりトイレを済ませた。
走れる準備と忘れ物がないように帰りの支度を済ませる。

チェックアウトは最近はどこでも使えるペイペイで決済できました。

「2日間にわたりありがとうございました」
そういって南種子の民宿をあとにしました。

7:30出発そこからは超ダッシュ
11:00に鹿児島行きフェリー出港。乗船手続きやお土産の購入を考えると10:00過ぎ到着を目標にしたい。

ルートは高低差を検討した結果何だかんだ一周コースの海沿いを走るほうがわずか3キロの遠回りで激坂を回避できる。

という事でアキレス腱ケガの可能性アリとカメラや着替えフル装備で55kmを2時間30分で走らないといけない。

200w以上の戦闘出力で昨日も見た絶景サイクリングを黙々と走る。
本当は同じコース、時間帯でも止まって写真撮りたいと思いましたが、我慢しました。

アキレス腱は10km回し続けても異常なし。
このときも「大丈夫だ」と自分に言い聞かせました。
なぜなら脚を痛めてやっぱりフェリーに間に合わない事態になるかもしれない…
という自分自身のプレッシャーがあり、気分が少し悪かったからです。

気がつけば20km30kmとパンクもせず脚に違和感も覚えず走れていました。

「問題なければ30km地点までは飛ばしていこう」と考えていたので、ここからはある程度出力を押さえて走りました。

旅なのに何でこんなに焦らないとダメなのか?
もっと余裕を持たせたプランは立てれなかったのか?
色々反省しつつ「でも俺、そういうの好きじゃん」
と考えると楽しくなったりもしました。
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ある程度問題なく帰路を進んでサイクルコンピュータ距離が長くなるにつれて
「この旅がもうすぐ終わる」
「できればもっと知らない道を走りたい」
と寂しい気持ちになりました。
40kmを経過すると西之表市街地なりクルマも多くなってきました。
最後までクルマやパンクトラブるに気を付けようと
集中力を切らさずフェリー乗り場を目指します。
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10:10にほぼ予定通りフェリー乗り場に到着。
約束していたお土産屋さんでアレコレ買いまくる。
さすがに宅急便で送った。
少し、お店の人と喋った。
自分は「本州にない風景ばかりで感動的でした」
みたいな話をしたのですが、地元の人からすると「何て事ないありふれた日常」らしい。

結局住めば都と言うことなんだなぁ
と改めて感じました。
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その後フェリーの乗船手続きを済ませ、出港。
さらば種子島。また連れてきてくれ。

フェリーに乗っている時にはひと安心したのか、ウトウトしてしまった。

定刻通り11:00発12:45着で鹿児島へ帰ってきました。
たった2日間ですがずいぶん久しぶりな気がします
さて、フェリーから新幹線の乗り換えは30分で輪行解除→駅まで移動→輪行荷造
をしないといけません。
ここがもっとも難易度高め。

ですが、ここでも「大丈夫だ」とさすがに頭の中で自己暗示しました。
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…で交通状況とパンクなど配慮しつつ無事に鹿児島中央駅へ到着。
汗だくになりつつも、何だかんだ20分以上余裕がありました。
ちょうど時間もお昼なので駅弁を。
もう予算など気にしませんでした。
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もともと九州新幹線800系つばめを見たり乗りたかったので、ムダに熊本駅で乗り換えたりしました。

新幹線は各駅停車なので博多まで3時間もかかりましたが快適でした。

あとはいつもの新幹線、のぞみに乗って京都まで。
「今日は月曜日だから在来線に乗り換えると、通勤ラッシュで混んでるだろうしイヤだな…」
という事でゆっくり自宅まで走って帰りました。

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おわり